★だい32わ:おやこきょうだん★


校「・・・そうでしたか、我々が気づけなかったわけだ、呪術を受け継ぎ、魔法の権威を受け継ぎ・・・平和を脅かす連中が残ってしまっている以上、これは避けては通れない道、かといって絶やしてもならない、いつかは我々が知っている妖精にも、そして我々にもいつかは迎える道・・・悲しいけれど、残された我々はしもんさんの、またしもんさんへ受け継いだご先祖様たちのためにも、守らねばならない・・・責任重大ですね」
め「はい・・・」
れ「私はしもん先生には感謝しています・・・!、時々ぶっきら棒な一面はありましたが、かつて私が生徒だった頃は大変お世話になりました」
め「生徒だった・・・?、ひょっとしてれもんさんは、ここの・・・?」
れ「そうよ、私はあなたの先輩でもあるのよ♪、話したことなかったかしら?」
校「そういえばずいぶん前にそんなこと話してましたか?、私も忘れてました」
れ「この中では多分私が一番しもん先生と付き合いが長いのかもしれませんね」
め「と言うか、『しもん先生』ってことは、ここの先生もやってたんですか?」
れ「それも話してなかったかしら?、ちょっとの間だったし非常勤だったけど、当時の生徒たちからは『おじいちゃん先生』って言われてて、人気があったのよ」
め「へぇ〜・・・そうだったんだ、知らなかった・・・」
れ「だからこそ、もう会えないと思うとやっぱり寂しい・・・とうとうここで事務員として働いている姿を見せられなかったからね」
め「・・・あ、そうだ校長先生、カプセルお返しします・・・!」
校「はい、確かに受け取りました――で、やはり、誰かが蒼き星に行けねば話は進まないのでしょうか・・・?」
め「白詰草さえあれば、万事解決だということは確かです、でも・・・・・・」
れ「ふぇありぃとらんぷの存在が無くてはならない・・・?」
校「何はともあれ、今からジタバタしていても仕方ありません、めるてぃ先生も今日はとらんぷたうん出向もあって疲れたでしょう、今日はゆっくりお休みください」
め「はい、お疲れ様です―――」

プルルルル――

れ「こんな時間に誰かしら?――はい、こちら星際機関初等部、れもんでございます―――――え、こはきゅちゃんとちゅにんくんが?」





ふ「うん、そうか・・・分かったよ、とにかく、誰かひとりでも最期を看取ってあげられただけでも、しもんさんにとっては嬉しかったんじゃないかな? しかもその中にはさぁ・・・不本意だったのかも知れないけども、一番弟子が居てくれてさぁ、しかもたったひとりで守ってきた呪術を受け継いでくれたんでしょ?、きっと満足してると思うよ」
め「(私・・・このまま誰も来てくれなかったら、たぶんパニックになってしまってたと思います・・・それにみんなと解散した後も、さくらさんは逆に私のことを励ましてくれて・・・)」
ふ「へぇ・・・そんな一面なんてあるんだぁ・・・まぁたガラでもないことを・・・?」
め「(そんなことはありません・・・! 私が小さいころからずっとさくらさんは、私にとっては心の支えでした――両親とみるふぃが旅でずっと家を空けてる日が続いた時も、まるで私を娘のように接してくれて・・・)」
ふ「ふふ、でもめるてぃちゃんもいつまでも子供じゃないからね、学校で子供たちと一緒にいるみたいにさ、今度はそれ以外でも誰かを支えていかなくちゃいけない時が来るかも知れないんだよ、その時は私たちもできる限り手を貸してあげるからさ、しっかり守ってあげな」
め「(誰かを支えてあげる・・・?)」
ふ「例えば、未来のダンナさんとか、ね☆」
め「(だ、だんなさんって、私は別にそんな・・・!)」
ふ「アハハハ、案外めるてぃちゃんならいつかのダンナよりガッチリ主導権握ってそうだけどね☆」
め「(な、何言ってるんですかぁ・・・!)」
ふ「アハハハハ、でもこれで少しは気が楽になったかな?」
め「(あ、はい・・・ホントにありがとうございます)」
ふ「お互い、気を強く持って、またいつも通りで居よう、しもんさんもきっとそう思ってるさ!」
め「(はい・・・!)」

ふ「しもんさんは、アタシやらいむぎちゃんたちのこともいっぱい可愛がってくれたんだもんね・・・とうとう何も恩返ししてあげられなかったなぁ―――・・・今度、アタシ自慢のお花をお供えさせてください――・・・フラワーショップをやってるアタシの自信作を持ってきたげるよ・・・ワシのガラじゃネェ!とか言って怒られそうな気がするけどさ・・・うう・・・」





の「おはよ、きらら」
き「おぅ・・・・・・」
の「何か、昨日はいろんなことがありすぎてアタマの中が全然整理できてないわ・・・」
き「く・・・・・・!」
の「気持ちはわかるけど、落ち込んでるヒマはないわ、もろこしさんが昨日言ったように、私たちは私たちに出来ることをしなくちゃでしょ!」
き「・・・・・・少しは泣く時間くらい、いいじゃんか・・・」
の「・・・あんまりヤバかったら私の胸、貸してあげる――一緒に泣いてあげるから」
き「うぅ・・・もうダメだ・・・」
の「いいよ、ホームルームまでまだちょっと時間あるから――先生が来るまで、いいよ」
き「のえるぅ・・・!」
*「あ〜オマエら何朝っぱらからイチャイチャしてやんの〜〜、とうとう出来ちゃったんだぁ〜〜男きららとぉ〜〜wwww」
き「・・・・・・」
の「・・・次、そんなこと言ったら、本気で許さないから・・・!」
*「・・・!、な、何だよ・・・っ―――(あんな怖い顔したのえる、初めて見た・・・!)」

ガラララ―――

め「はぁい、みんな揃ったかしら?」
の「きらら、先生来ちゃったよ?」
き「うん――アリガト、のえる・・・」
の「大丈夫?」
き「うん、平気・・・」
め「それでは今日の日直の――、のえるさん、お願いしますね」
の「起立、礼、着席―――」

――――――
――――
―・・・

め「はい、今日はここまで、また明日ね、日直さん、号令お願いします!」
の「起立、礼―――」

―・・・

き「のえる、今日は色々アリガトな」
の「少しはスッキリできた?」
き「うん・・・」
の「長い付き合いですもの、持ちつ持たれつですよっ!」
き「昔はアタシがよくのえるを慰めてたのに、今じゃあべこべだ・・・さっき男子に怒ったときのアレ――本当に強くなったんだな、のえる」
の「そんなことないよ、でも本当に辛くなったら、我慢しないでギャンギャン泣いちゃえば、絶対スッキリするって教えてくれたのは、他でもないきららよ」
き「・・・へへ、そんなこと言ったっけ?」
の「うん☆――それにしても、こはきゅちゃんとちゅにんくんは転校扱いか・・・何となく分かっちゃいたけど、ふたり揃って転校だなんて知って、他のみんなにはどう思われてるんだろう」
き「何か、一気に教室が広くなった気がするよ・・・それにアタマも追いつかねぇ・・・何が何だか・・・?」
の「みるふぃちゃんも心配だわ、無断欠席とかありえない!」
め「それについては私が教えてあげる」
き「める姉!」
の「先生!」

―・・・

め「私も今朝それを知ったから最初は驚いたわ、でも話を聞いてて、事は思ったより一刻を争う状況になりつつあることが分かった」
き「・・・アタシたち、今後生きていけるのかな…?」
の「ねぇ先生、みるふぃちゃんはどうしたんですか?、ホームルームでも何にもみるふぃちゃんのことに触れませんでしたよね?」
め「あら、あなたたちも昨日はみるふぃと一緒だったんでしょ?、とらんぷたうんに来てたんだって?」
き「(ギクッ!!)」
の「えっと・・・どうしてそれを・・・?」
め「あなたたちのことだから、夕べのことに首を突っ込もうとしたんでしょ?、どうせ」
き「えっと・・・その・・・」
め「ハァ〜・・・まったく、危ないから止めなさいってあれ程言ってるのにぃ、ってホントに言い出しっぺか知らないけど、みるふぃにも言いたかったんだけどね?」
の「え、どういうことですか?」
め「まったく、どれだけ面倒事を増やしてくれちゃうのよ、それでなくても現場がピリピリしてるってのに」
き「ご、ごめんなさい・・・」
め「ま、悪い予感をいち早く察知したのもみるふぃ自身だから行動に出たんでしょう、そのことには私は不満は言いませんっ!――で、みるふぃからは何にも聞いてないの?」
の「え、ええ、この後用事ができたからってそれっきり・・・」
め「ふむ・・・ほいじゃお話ししますか、教室じゃ何にもないから職員室行こう、コーヒーでよければ出したげる!、内緒でね♪」

*******

き「追っかけて行った・・・?」
の「こはきゅちゃんとちゅにんくんを・・・? 一体なぜ・・・」
め「ふぇありぃとらんぷを司る模様は全部で4種類、それは分かるわね?」
き「ふぇありぃとらんぷ・・・何で急にそんな話?」
の「みるふぃちゃんも・・・ふぇありぃとらんぷに・・・なる、とか?」
き「え?」
め「まさかとは思うけど、きっとみるふぃもそうなるためにふたりを追っかけて行ったと思うの」
き「でもさぁ、仮にアイツらがみんなふぇありぃとらんぷになったとしても、あとひとり足りないじゃん、いったい誰がなるのさ?」
め「・・・さぁ?」
き「アタシか、のえる・・・?」
の「私たちにそこまで潜在能力があると思う?」
き「ま、在り得ないよな」
め「いいえ、ふぇありぃとらんぷになるための条件に血筋だとか元々の才能とかは関係ないのよ、現にこはきゅちゃんのお母さんだって元々はごく普通の家庭で育ったわけだったし、潜在能力に秀でていたわけじゃなかったらしいのよ?」
き「へぇ、そうだったんだ」
の「だとしたら、みるふぃちゃんの方がよっぽど可能性があるわね」
め「いや、それはどうかしら?」
の「違うんですか?」
め「ウチの両親は世界中を旅しながら環境調査をするのが仕事。当然現地で出会う妖精たちの中には、魔法に秀でた遣い手ひとりやふたり居てもおかしくない、みるふぃは彼らを間近で見続けて育ってああなったんだと思うの」
の「私たちの見ていないところで、自然と英才教育を受けたってトコロですか?」
め「だと思う、私もそこまで詳しくは聞いてなかったから何とも言えないけど――」
き「なぁなぁ、ぶっちゃけ聞くけど、める姉とみるふぃ、どっちが実力上?」
の「そりゃあ先生でしょう! いくらみるふぃちゃんがスゴイと言っても、ねぇ?、普通に考えたら――」
め「キミたつぃ、当の妖精目の前にしてそんな話しちゃいますかね・・・!、でもまぁ、正直言って今の私たちのレベルは多分、5分か6対4でみるふぃね」
の「え!?」
き「マジかよ!半分冗談で言ったつもりなのに・・・!」
め「正確に言うと、これからどんどん大っきくなってくみるふぃは、当然魔力の成長も比例する・・・どっちにしても私が追い抜かれちゃうのは時間の問題ね」
き「ほぇぇぇ・・・!」
め「あの子がどこまで成長するかは分かんないけど、今この村でナンバー1の校長先生もうかうかできないレベルにはなりそうな気がする」
の「何だか、いきなり置いて行かれた気がするわ、私たち・・・」
め「それとね、近いうちに発表するけどあなたたちにはもう言っちゃうわ、これからこの学校、ちょっと面倒なことになりそうなのよ・・・」
き「は?、どういうことさ?」

ガララ―――

ら「はぁい、みなさんおっはよ〜ございまーす☆、ってあら? ずいぶんサッパリしてるわね?」
き「あれ?」
の「らいむぎさん??」
め「遅い! どんだけ手続きに時間掛ったのよ?!」
ら「あらまぁ・・・ちょっとのんびりし過ぎちゃったかしら?オホホホ」
め「オホホホじゃないわよ、まったくもう・・・! 昨日の今日で疲れが残ってるのは分かるけど、どうせリミッター外してペチャクチャ喋ってたんでしょう!!」
き「え、手続きって何の・・・?」
の「ひょっとして、らいむぎさんも先生に?」
ら「そうよ〜、と言っても私は時短だからめるちゃんみたいにしょっちゅうここにいるわけじゃ無いんだけどね」
き「マジか・・・親子で教師とかスゲェな・・・」
の「らいむぎさんは何を教えるんですか?」
ら「モチ、魔法よ☆、こう見えてめるちゃんに初めて魔法を教えたのは私なんだから、エッヘン☆」
き「は、はぁ・・・(;・∀・)」
ら「それとね、あと2つ話すことがあるの」
め「2つ?、一つはお父さんの社長の話でしょ?」
の「社長?」
ら「そう、きざくら運輸――ウチのパパが来週からそこの社長に就任するのよ〜」
きの「えぇぇぇぇぇぇえ!!!」
め「そりゃあ驚くわよねぇ〜・・・私も今朝出かける前にお父さんから直接聞いてビックリしたわよ〜」
き「ってコトは、あのオジサンは・・・」
ら「さくらさんはしもんさんの呪術を継承した身、今後はこの国の平和のために一役買う立場にあるってことで、一線を退くことになったらしいの」
の「で、さくらさんは今は?」
ら「会社の引継ぎが一通り終わったら、しもんさんの家を拠点に当面は修業を積むらしいわ、あの家には呪術のこともそうだけど、他にも今後役立つ書物がたくさんあるらしくて、遺品整理も兼ねてやってくれるそうよ」
き「こないだまで容疑に掛けられたヤツとは思えねぇな・・・テレビでやってたオッサンのニュース、結局何だったのか分からず仕舞だけどな」
め「あのニュースなら、私も見たわ・・・」
の「どんな内容だったんですか?、私もきららも実はよく知らなくて」
め「何が不法侵入と建造物損壊よ・・・!、さくらさんに限ってそんなことありえない・・・! 誰なのよ、あんなウソでっち上げを吹っ掛けたのは・・・!!」
の「確か、現場ってこはきゅちゃんとちゅにんくんが啓示を受けた大きな白詰草って聞きましたが」
め「そうよ!建造物損壊なんて何にもされてないのに・・・ヒドすぎるわ!」
き「・・・める姉、ずいぶんとあのオッサンのこと庇うんだね・・・?」
め「え?」
ら「あらあら、めるちゃんったら、ひょっとしてまだちゃんと告白してないの? あなたももう大人なんだし、私もパパも結構前から公認してるんだから、今さら何を躇うのよぉ?」
の「公認、どういうことですか?」
め「ちょ・・・!言わないでよ、この子たちの前で・・・!」
き「あ!!、ま・・・まさかめる姉っていや、それは・・・いや、だって・・・なぁ?」
の「なぁって・・・きらら、何か知ってるの?」
め「うぅぅ・・・分かったわよ――いい?、きららちゃんものえるちゃんもこれだけは最重要中の最重要で他言無用!、いい!?」
き「お、おお・・・」
め「私はさくらさんのことが好きです!、以上!!」
の「えぇ!?」
き「やっぱマジかぁ・・・ウソだと思ってたら、マジだったのかぁ・・・!」
め「ううう・・・何でこんな流れに・・・お母さんッ・・・!」
ら「だぁって、色々バタバタしていたとは言え、いつまでも煮え切らないめるちゃんを見ていられなかったんだもんっ☆」
め「“もんっ☆”って言う年ですか・・・!」
ら「てへっ♪」
め「・・・・・・(# ゚〜゚)」
き「める姉、怖い怖い・・・!」
の「でも知らなかったです、さくらさんってまだ独身だったんですねぇ? 私はさくらさんとは殆ど接点がないからよくわからないんですけど、全然悪い印象なんて無いですよ? めるてぃ先生とも、とってもお似合いだと思います♪」
め「のえるちゃん・・・(´;ω;`)」
き「で、告白すんのか?、こんな状況の時に・・・ってのは置いといて、な」
ら「そうよ、きららちゃんの言う通り、ボヤボヤしてると他の子に取られちゃうわよ!」
め「そ、そんな急に言われても・・・!」
き「いや、取られる心配は無いんじゃないかなぁ・・・多分」
ら「よし、そうと決まったら早速セッティングよ!」
め「え、ちょっと何を勝手に・・・!」

ピ、ポ、パ――

の「あ、携帯通信機・・・いいなぁ♪」
き「アレ、すっごく高いんだろ?、アタシたちの小遣いじゃ到底買えないよ」
め「ううう・・・こうなっちゃったらもう止められない・・・でもっていっつも要らぬトラブルになっちゃうのよ・・・」
き「まさか、オッサンを呼び出してるのか?」
の「アハハ――で、でもご両親が公認と仰ってるんですから、あとは告白が成立すれば、めでたくカップルになれますよっ!」
め「いや・・・それは、まぁ・・・そうなんだけどね、でも心の準備が・・・(;´・ω・)」
き「いや、あのオッサンなら寧ろ勢いで言った方がいいんじゃない?、案外その方が巧く行くかもよ?」
め「・・・ほんとぉ?」
ら「よし、めるちゃん、あなたはこのままここに残りなさい、さくらさんすぐ来るって!」
め「えぇぇぇぇぇぇえ!!???」
ら「さぁさ、これは孫の顔が見れる日もそう遠くないかしらねぇ〜?、きららちゃん、のえるちゃん、おふたりの邪魔しちゃ悪いから、行きましょ!」
き「あ、あぁ・・・」
の「孫って・・・」
め「もうぉぉぉ……!、お母さんったら〜〜〜!!!」


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