★だい17わ:こはきゅたちとまほうのじっしゅう★


こ「う〜ん・・・」
き「オッス、こはきゅ」
こ「あ、きららおねえちゃん、きょ〜もおはよ〜ございますっ」
き「今日もって・・・昨日まで連休だったじゃん――お、今日は日記帳持ってきたんだ?」
こ「うん、きのうねるまえにね、ポワ〜ってひかったの」
き「え。マジ!? ホントか!?」
こ「うん、のえるおねえちゃんのよりずっとあかるかった」
き「マジかよ・・・て、あれ、でも今は光ってないじゃん」
こ「うん、そうなの・・・あさおきたらひかってなかったの」
き「そっか・・・そうなんだ・・・」
こ「ねぇねぇ、きららおねえちゃんは?」
き「ん?」
こ「にっき・・・ひかった?」
き「あ〜・・・アタシはどぉもあ〜いうのは苦手でさぁ、、、ヘヘっ、毎日は書いてないんだ」
こ「え〜!? ダメだよ〜ちゃんとかかなくちゃあっ」
き「まぁ・・・そうなんだけどさぁ、、、そう毎日毎日書けるようなネタってあるもんかぁ?」
こ「なくてもかくの!!!」
き「う・・・わかりました、これからは毎日ちゃんとかきますぅ〜」
こ「うんっ!」
き「それよりも、お母さんカゼ引いちゃったんだって? 大丈夫なのか?」
こ「うん、でもきょうはおきてあさごはんもいっしょにたべたんだよ」
き「そっか・・・、それなら心配ないかな」
こ「うん、オーオー(^O^)ノ」
き「にしても、今日はちょっと暑いな・・・こないだまでメチャクチャ寒かったのに・・・」
こ「きららおねえちゃん、すずしそ〜」
き「アタシはこはきゅのカッコ見てると暑く感じるわ・・・長袖シャツにベストに帽子までかぶって汗ひとつかかないってどぉよ・・・?――もっとも、ふらわさんと国に行ったあの雪の日もおんなじカッコしてたっけか・・・」
こ「こはきゅはあついのもさむいのもへーきっ!」
き「・・・何と言うか、いろいろ便利だな・・・」
こ「?」




ちの「おはよ〜!!」
き「オッス・・・どうしたんだ、ふたりしてそんな息切らして? める姉が来るまでまだ時間があるだろ?」
ち「さっき職員室の前を通った時に、たまたま聞いたんだけどさ」
き「うん」
の「また転校生が来るんだって!」
き「ほぉ!」
こ「てんこうせ〜?」
き「こはきゅに続いてか・・・で、どんなヤツよ?」
ち「いや・・・扉が閉まってたからよくは見えなかったけれど、多分小さい子かも」
き「こはきゅよりもか?」
の「うん、いい勝負ね」
こ「こはきゅ、おねえさん?」
き「フフ、かもな♪――扉が閉まってて正解だぜ、楽しみは最後に取っておかなくちゃな」
(キーンコーンカーンコーン―――・・・)
き「ん、席つくべっ」
こ「おー♪」

(ガラガラ―――)
め「はい、みなさんおはようございます〜、今日の日直さんお願いしますね〜」
こ「はぁい、きょ〜はこはきゅで〜すっ ではではきり〜つ!――きをつけ――れい!」
全「今日もおはようございます!!」
め「はい、今日もみなさんおはようございます――今日から魔法の実習に入ります、こないだからしつこいくらいに言ってますが――・・・」

 ・くれぐれも自分の限界を超えた魔力を出さないこと
 ・どんな魔法も他の妖精に向けて発動しないこと
 ・決して無理はしないこと

め「いいですね?」
全「はぁ〜い!」
め「はい結構、――でもその前に、今日は日直当番のこはきゅちゃんに続いて、また新しい仲間が加わることになりました」
全「おぉ〜!!」
*「センセ、またまたかわいいコですかぁ?」
*「オマエ、またそれかよ」
*「ねぇねぇ、今度こそ男の子?」
*「え・・・オマエもかw」
め「えっとですねぇ、実は――」
(ガラガラ――)
み「暑いよぉぉ・・・・・・」
め「ちょ!? み、みるふぃ!?」
*「おお・・・こはきゅサイズ」
き「サイズ言うなよ、みるふぃ・・・え、みるふぃ!?」
こ「?」
め「え、ええ・・・きららちゃんは知っているでしょうけど・・・はい、実は彼女は・・・先生の妹なんです」 *「ブゥゥラボォォォォォ〜〜〜〜〜!!!!!」
*「あ、ネジが飛んだ」
き「ふぇぇ・・・大きくなったなぁ」
ち「知ってんの、きらら?」
き「あ、あぁ、まだ赤ん坊のころにちょろっとめる姉の母ちゃん父ちゃんとあいさつをしたのは覚えてんだ」
ち「ほう」
き「・・・そっか、みんな戻ってきたんだな」
め「さぁみるふぃ、みなさんにご挨拶よ」
み「み、みるふぃ・・・です・・・えっと・・・よ、よろしくおねがいします・・・」
(パチパチパチ―――)
き「(なぁなぁのえる)」
の「(ん、何?)」
き「(こはきゅがここに来た時のことを思い出すな)」
の「(? どういうこと?)」
き「(アイツも最初はあんな感じだったじゃん)」
の「(そうだったっけ?)」
き「(あぁ・・・こはきゅと同じ匂いを感じるよ)」
め「それじゃ・・・こはきゅちゃんの前の席が空いてるわね、とりあえずそこに座りましょうか」
み「・・・う、うん・・・」
の「(フフ、緊張してるのかしら? きららの言う通り、こはきゅちゃんに似ているかもね♪)」
こ「はじめましてっ みるふぃちゃん、こはきゅだよっ」
み「――! こ、こは・・・きゅ・・・?」
こ「うん、そ〜だよ?」
み「(・・・・・・)」
こ「えへへ、よろしくねっ♪」
み「よ・・・よろしく・・・」
め「さぁもう時間ですね、じゃあさっそくですが皆さん支度をしてグラウンドに集合しましょう!」
全「はぁ〜い」
み「・・・え?」
の「ん? お姉ちゃ・・・先生から聞いてなかった? 今日はお外で魔法の実習なのよ」
み「うん・・・それは夕べお姉ちゃんからは聞いたけど――」
ち「ん、どしたんだ? 早く行こうぜ」
の「みるふぃちゃん?」
み「い、いえ・・・何でも・・・」
の「?」
こ「いこうよ、みるふぃちゃんっ」
み「うわっ」
こ「こはきゅもたのしみっ」
み「楽しみ・・・?」
こ「うん!」




め「さ、全員揃いましたね? 今日からは、連休前にもみなさんに話したとおり、魔法の実習です――毎回言っていることなのでもう分かっているでしょうけど、敢えて再度言います、くれぐれも無理して自分の限界を超えた魔力を使うことのないようにしてください。それではさっそく、各自ウォーミングアップを始めて下さい」
こ「おーみんぐあっぷ?」
の「そ、魔法を始める前にやることがあるのよ」
き「スポーツでも始める前に準備運動をするじゃん、魔法もいきなり使うんじゃなくて――」
め「はい、あなたたち受験生は各自で基礎から総復習!」
の「先生?」
き「へいへい〜行こうぜ、のえる!」
の「う、うん・・・」

め「さて、ではウォーミングアップと行きましょうか、みるふぃ、あなたもいらっしゃい」
み「え、あたしも・・・?」
め「そう、あなたもいっしょ!」
み「・・・うん・・・」
こ「ど〜やるの?」
め「ここで言うウォーミングアップと言うのは、まずは気持ちをうんと落ち付けてリラックスすること」
こ「りらっくす?」
め「まずは、ゆっくり息を吸って――」
こ「(スゥ――・・・)」
め「同じようにゆっくり吐いて――」
こ「(ハァ――・・・)」
め「もう1回、ゆっくり吸って――」
こ「(スゥ――・・・)」
め「吐いて――・・・」
こ「(ハァ――・・・)」
み「・・・・・・」
め「あんまり意識して呼吸するんじゃなくて、自然に・・・例えば、今日のお天気のように太陽の光がとっても気持ちいいなぁ〜・・・おいしい空気が吸えるんだろうなぁ・・・ってそんな感じで・・・」
こ「ゆっくり・・・・・・スゥ―――・・・・・・ハァ―――・・・・・・」
め「そう、常にその状態を忘れないでね――では、両手を胸の前でそっと合わせて見ましょう・・・こんなふうに」
こ「こう?」
め「うん、そのままさっきのようにゆっくり呼吸しながら“手に光が来ますように”って念じてみましょう」
こ「こはきゅの手がひかりますように・・・!」
め「うん、それを心の中で優しくね・・・」
こ「うん、・・・・(おねがいします、ひかってください・・・!)」

・・・・・・・・・

・・・・・・

こ「だめだぁ・・・ひからないよぉ!」
め「最初からそう簡単には行かないわ、焦らないでゆっくりやってみましょう、深呼吸のこと、忘れないように」
こ「う、うん・・・」
み「・・・見てて・・・! こうやるのよ」

ボワ―――――――・・・!!

こ「ふわぁぁぁ・・・!」
め「みるふぃ・・・!」
み「魔法なんて・・・」

フワ・・・・・・・・・

こ「うわぁ・・・ひかりがおそらをとんでる・・・みるふぃちゃん、スゴい・・・!」
め「あなた・・・いつのまに・・・!」

スィ――――・・・

こ「ふわぁ・・・みるふぃちゃん、スゴイなぁ・・・」
み「こはきゅちゃん、もう1回チャレンジしてみよう!」
こ「うんっ!」
め「(あのふたりなら安心かな・・・?)――それじゃふたりはそのまま練習しててね、先生は他のみんなをちょこっと見てからまたここに来ます」
こ「はぁいっ!」
み「・・・・・・」

******

き「うわ・・・のえる、お前またいつのまにそんなに魔力上がってたのか・・・!」
の「うん、パワーだけはね・・・」
き「ひょっとして前にみんなに配った日記、ちゃんと書いてたり・・・する?」
の「え、日記? ――う〜ん・・・まぁ一応毎日は書いてるけれど・・・こはきゅちゃんみたいに絵を描いたりとかはないわ・・・至って当たり障りの無いつまんない内容よ」
き「やっぱりそうだったんだ・・・あの日記帳は自分の魔力を引き出す力を持ってたんだぁ〜〜・・・くぅ〜、サボるんじゃなかった・・・!!」
の「魔力を引き出す・・・? そうかなぁ・・・? 私はそうは思わないけどなぁ・・・」
き「ってそれよりもどうだ? こはきゅの方は?」
の「・・・本当の初心者レベルね」
き「あれ・・・あたしたちの推測が間違ってんのかな・・・?」
の「・・・かも知れない、でも気になるのは――」
き「あの時の指輪・・・か、まだ付けてたんだな」
の「ただのアクセサリにしては不自然すぎるよね・・・あの時誰かがさり気無くこはきゅちゃんに付けた・・・と言う雰囲気じゃなかったよね」
き「あのデカイ花事件があってからど〜も分からないことばかりだな・・・あれ?」
の「ん?」
ち「よ、受験生組っ――ってどした、怖い顔して」
き「見てみろよ、あれ」
ち「お、スゲぇ、みるふぃはすでに魔法のコントロール出来てんだな」
の「さすがね、やっぱりめるてぃ先生の妹さんだけあるわね」
き「・・・・・・」
め「ホレ、どうした悪ガキさんたち!」
の「ひゃっ!」
き「誰が悪ガキだ」
め「何みんなしてポヤ〜ンとしてんの? こないだみたいな勢いはどこいった?」
ち「こないだ?」
の「いや、だってあれは夢中でしたし・・・」
き「こんなトコでそんなデカい魔力放ったら学校が壊れるってぇの」
め「だからっておサボリは感心しませんなぁ」
ち「・・・話が見えない。。。」
め「もしかしたら・・・とは思ってたけど。。。やっぱりね」
の「何がですか?」
め「みるふぃの魔力よ」
の「スゴイよね、あんなに小さいのに基本をマスターしてるんだもの、さすが先生の妹さんですね」
め「・・・別に・・・私は関係ないわ」
き「?」
め「あの子はウチの親や周りの大人たちと一緒に居ることが多くて、ここみたいにお友達を作ることは殆どなかったから」
の「じゃあ、学校とかにはいままで通ってなかったんですか?」
め「ええ、みんなはまだ気付いてないだろうけど――」
*「先生、ちょっといいですかぁ〜?」
め「あ、はぁい――さ、みんなもサボってないでちゃんと練習しなさいっ」
ち「ほ〜い」




こ「う〜ん・・・うまくいかないよぉ・・・」
み「こはきゅちゃん」
こ「ん、なぁに?」
み「本当にあなたの魔力はそんなモンなの?」
こ「え?」


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