★だい13わ:きららとのえるのきもち・こころ★


*「おつかれさまでした、社長!」
*「自分もお先に失礼致しますっ!」
さ「おぉ、おつかれ、フレッシュマンたち! 明日もそのゲンキでよろしくなっ!」
*「あ・・・あのぉ、明日は休業日ということになっているはずですが・・・」
*「自分・・・休日出勤ですかぁぁ・・・?(´;д;)」
さ「え、アレ・・・? ありゃ、ホントだ、そう言や明日から連休だったんだな〜いやはや、オレの勘違いだったかww」
*「あぁ――・・・マジびっくり・・・」
さ「んじゃ、ゆっくり英気を養っておくれ、ルーキーズ!」
*「はいっ!おつかれさまでしたっ!」

さ「そっか・・・しばらくお休みかぁ・・・そういや、はーつたちがここに来てから結構経つもんなぁ・・・せっかくの連休だ、ちょっと顔出しにでも行くかな? やっと暖かくなってきたし、明日晴れたら出かけるとしますかな?」
(プルルルルル―――)
さ「ん? 誰だ、こんな時間に・・・?」
(カチャ)
さ「お電話ありがとうございます、きざくら運輸本社・さくらで御座います」
ふ「[もしもし、さくらさんですか?――ふらわです]」
さ「あ〜フラワーショップの、いつもお世話になってます〜、で、今日はどうされました?」
ふ「[急で申し訳ないんですけど、社長さんに折り入ってお話が・・・]」
さ「お話? ええ、私は全然構いませんけど――? 何かあったんですか?」
ふ「はい・・・ちょっと色々お聞きしたいことがありまして・・・」
さ「いいですよ、分かりました、私も今ここを発つところでしたから、すぐそちらに向かいますよ!」
ふ「[すみません、時間外なのに突然電話してしまって・・・]」
さ「いえいえ〜お安い御用ですよ、なんたって“サービス第一・お客様第一のきざくら運輸”ですからね! それに、ウチのお得意様・村一番のフラワーショップ様の頼みなら、どんなご用件も喜んでお引き受けいたしましょう!」
ふ「[よろしくお願い致します・・・]」
さ「――それではまた後ほどっ」
(――カチャ)
さ「・・・ふむ・・・ふらわさん、ゲンキないなぁ・・・何かあったんかなぁ・・・?」
(チクッ――!)
さ「・・・何だ・・・! 今の変な胸騒ぎは・・・!」

******

め「・・・すごい魔力・・・やっぱりこの花から放たれてるんだわ・・・私の力で制御できるかしら・・・いや、今は私にしか出来ないわ、やるしかない!」
(カッ――――――――――――・・・)

め「く・・・スゴい力・・・こんなの初めて・・・!!」
(グググググ―――・・・)
め「ダメ・・・弾かれる・・・!」
の「先生!!」
き「める姉!!」
め「く・・・! きららちゃんにのえるちゃん・・・ダメ・・・!・・・危ないから離れ・・・て・・・!」
の「私も手伝います!」
き「いくぞ、のえる!!」
の「うん! せぇのぉ――」
きの「ハアアアアア――――――!!!!!」
(クワッッッッ――――――――――――・・・)

―――――――――――


――――――――・・・


―――――・・・・・・


・・・・・・


き「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫か・・・のえる・・・」
の「えぇ・・・私は平気・・・」
め「・・・・・・」
き「める姉・・・今の光は一体なんだったんだ?」
め「あとで説明するわ・・・それよりも、何でふたりとも私の忠告を無視したの? 危ないから離れてって言ったのに」
の「それは・・・ご、ごめんなさい・・・!」
き「だって、あんな巨大な魔力、いくらめる姉でも抑えられるレベルじゃなかったろ・・・・・・だから・・・助けようと思って・・・・・・ごめん、なさい・・・」
め「フゥ・・・あなたたちふたりだけでこの花に手を出さなかっただけよかったわ・・・それにきららちゃんの言う通り、私だけでは抑えるのはたぶん無理だったのかもしれない・・・・・・、それと、今ので2つの収穫が出来たわ」
き「収穫?」
め「うん・・・ひとつは、あなたたちの魔力が思った以上に上のレベルまで上がっていること――今のような力を本番●●でも発揮すれば、ほぼ間違いなく進級試験は成功するでしょうね」
の「そ、そうでしょうか・・・?」
め「それに、あなたたちのおかげで私の方が助けられたわ・・・ありがとう。。。でもね、一歩間違えたら命を落とすかも知れないとっても危険な魔法だということをしっかり覚えておきなさい・・・! 特に、今はまだ魔法使いの卵であるふたりにとっては、本来あってはならない行為でもあることを・・・!」
の「はい・・・ごめんなさい・・・」
き「・・・あぁ・・・気をつけるよ・・・それとめる姉、もうひとつの収穫って何・・・?」
め「・・・・・・」
き「める姉?」
め「・・・・・・ごめんなさい、それは言えないの」
の「・・・?」
め「今のあなたたちには関係の無いことだから・・・ごめんね」
き「・・・こはきゅのことか?」
め「・・・・・・」
き「そうなんだろ・・・?」
の「きらら・・・」
き「アイツは・・・こはきゅは友達だ・・・! あたしは別にこはきゅの過去や身の回りのこととか差し障りのあることを知ろうなんて思っちゃいない!」
め「きららちゃん・・・」
き「でも・・・でもな・・・さっきのヘンな光にアイツらが巻き込まれてケガでもしたら、友達として助けるのが普通だろ! それを関係ないからって見捨てるのが友達のやることか!? あたしものえるもそこまで薄情な妖精として生きたつもりは無い!」
の「きらら・・・」
き「こはきゅやちゅにんに何かあったら・・・あたしは・・・あたしは・・・!!(グスッ)」
め「・・・・・・きららちゃん」
の「きらら・・・・・・そうですよ・・・こはきゅちゃんもちゅにんくんも私たちにとってはもうアカの妖精じゃありません・・・仲間だから・・・かけがえのない友達だから、“お互いに助け合って過ごそう”って・・・! それは友達だから知り合いだからとか以前に、妖精としてあるべきことだと思います・・・私もきららも、黙って見過ごすわけには行きません・・・!」
め「・・・・・・」
の「もうさっきのような無茶なことはしません、でも先生・・・私たちは先生のように魔法のプロを目指す妖精です・・・!」
め「ふふ・・・あははははははははは!!!!!!!」
の「?」
き「(グスッ)・・・?」
め「いつの間に君たちはそんなに大きくなっちゃったのぉ〜?」
の「え?」
き「・・・?」
め「いつの間に君たちはそんなにに大人になっていったのぉ〜?」
きの「・・・・・・」
め「降参っ! 私の負けっ!」
こ「だれがまけ〜?」
き「え!?」
の「こはきゅちゃん!」
ち「なになに、どうしたの?」
め「ちゅにんくんも!?」
こち「・・・・・・ん??」
き「よかった・・・無事だったんだ・・・!」
(ギュッ♪)
こ「ふぇ・・・? きららおねえちゃん、くるしいよぉ〜(;´з`)」
き「こはきゅぅ・・・」
ち「ん・・・? なになに? きらら、どうして泣いてるんだ・・・?」
め「ふぅ・・・」
の「こはきゅちゃんもちゅにんくんも一体どこへ行ってたの?」
ち「いや・・・オイラたちはずっとここに居たよ? なぁ、こはきゅ?」
こ「う、うん」
め「さぁさ、お腹空いたでしょ? 早くみんなのところへ戻ってお昼ご飯にしましょ!」
こきちの「はぁ〜いっ!」

*******

(ブロロロ―――)
さ「・・・ふらわさん、わざわざオレの直通に掛けて来るなんて・・・何かひっかかるなぁ・・・? それに、さっきの胸騒ぎは一体何だったんだ・・・何だか急に分からんことだらけだな・・・分からんのはクレーマーの心理だけでたくさんだってのに・・・」
(ピピピピ――・・・)
さ「ん、こんな時間に外線か?」
(キキッ――)(ピッ)
さ「お電話ありがとうございます、きざくら運輸出張移動車より、さくらがうけたまわります!」
*「あら? 社長さんかしら?」
さ「あ・・・その声は・・・もしかして、らいむぎ婦人で御座いますか?」
ら「そうです、ご無沙汰しておりますわ」
さ「ホントにお久しぶりですねっ!――と、ここに掛けてきたと言うことは、ひょっとしてご帰還ですかね?」
ら「ええ、主人の仕事が漸く一段落出来ましたので、この辺で一旦家に戻ろうかと――」
さ「そうですか〜そうですか〜! いやぁ、めるてぃお嬢様もきっとお喜びになりますよぉ!――で、ご用件は例によって運搬と送迎の手配で宜しいです?」
ら「ええ、と言ってももう少し先の話ですわ、それに知人の話では、そちらは確か明日からしばらく休業日と聞きまして」
さ「あ〜ええ、4日間ですが休業を頂いてるんです、申し訳ないですねぇ」
ら「いえいえ それは構いませんのよ――で、そちらの連休明けになってしまうんですけど、空きは御座いますかしら?」
さ「そうすると、5日後ですね・・・少々お待ち下さいねぇ――」
(カチャカチャ―――・・・)
さ「うん、大丈夫ですね、まだ終日十分空いてますよ」
ら「よかったですわ、では5日後は午後イチの便を手配お願い致しますわ」
さ「かしこまりましたっ! いつもきざくら運輸をご贔屓にありがとうございますっ!」
ら「よろしくお願いいたしますわ、それではご免あそばせ――」
(――ピッ)
さ「ふふ・・・こりゃあ、連休明けから忙しくなりそうだ・・・明日は社にこもって準備かな? ――おっと、まずは急いでふらわさんトコに行かなくちゃな!」
(ブロロロ―――)


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