★だい12わ:こはきゅとしろつめくさ★


(サッサッサッ―――)
ち「・・・へぇ、こはきゅスゴイなぁ・・・描くの早いし、それにクレヨンとは思えないタッチでとっても上手だ・・・」
こ「そぉ? あ、ちゅにんくんのもみ〜せ〜てっ☆」
ち「え″・・・オイラのは・・・ν」
こ「・・・ちゃいろいおさかなさん・・・?」
ち「たいやきっ、まさか・・・たいやきも知らんとか・・・?」
こ「なぁに、それ?」
ち「・・・何と不憫な・・・(。´〜`)」
こ「??」
ち「分かった・・・今度オイラが作って持って来たげる・・・たいやきもソフトクリームと同じ幸せのおやつなんだぞぉ〜」
こ「わぁい☆―――で、ちゅにんくん、たいやきさんはどこにいるのぉ??」
ち「景色だけ描いても面白みがないっ! 芸術は独創力が必要なんだ!」
こ「お・・・おーおー・・・(←分かってない)」
ち「それはそうと、そう言えば前に、将来は絵を描く仕事に就きたいって言ってたよね?」
こ「うん、大きくなったらこはきゅはえかきさんになるのっ!」
ち「・・・うん・・・! きっとなれるよ、こはきゅなら・・・!」
こ「えへへ♪ アリガト、ちゅにんくん^^」
ち「お・・・おぉ・・・(*´・・)ヾ(ポリポリ)」
こ「よし、できたっと☆―――ん?」
ち「ん? どした、こはきゅ?」
こ「そういえば・・・ここ・・・いまのこはきゅの村にきたときにとおったみちだ」
ち「へ?」
こ「だってほら、あそこキラキラひかってる・・・!」
ち「光ってるって、まさか・・・・・・ほ、ホントだ・・・何だこれ・・・!」
こ「ね♪」
ち「・・・まだそんな遠い距離じゃないな・・・こはきゅ、ちょっと行ってみるか?」
こ「う、うん、こはきゅはいいけど・・・ちゅにんくんのえはいいの?」
ち「まだ時間は十分にある! ちょっとだけ行ってみよう!」
こ「え・・・? う、うん・・・」

******

の「そう・・・とらんぷたうんとお城の博物館ねぇ・・・」
き「おばさん、きっと何か隠してんだよ・・・でなきゃ、こはきゅへの問いかけを遮ることはなかった・・・と思う・・・」
の「思う?」
き「あたしにも何がなんだかよく分かんねぇんだ! でも・・・気になることが・・・」
の「気になること? と言うと?」
き「こはきゅが言ってたんだ、前に住んでたトコって言うのが“ここよりとってもさむくてしずかなところなの。ごきんじょさんもあまりあさのごあいさつとかそういうのはなかった”って、そう言ってた・・・」
の「・・・」
き「のえる、初めてこはきゅが転校してきた日のこと覚えてるか?」
の「転校した日?」
き「あぁ、放課後あたしたちで一緒に帰ったじゃん」
の「ええと・・・あぁ! そう言えばそうだったわね――」
き「あの時もこはきゅのヤツ、言葉を濁してた・・・」

***

き「(なぁ〜こはきゅ、この村にはどうやって来たんだ?)」
こ「(ええとねぇ、あさはやくにしゅっぱつしてぇ・・・それからずぅっとながい森のなかをあるいてぇ・・・)」
の「(森?)」
こ「(うん、森っ!――で・・・あれ? いつついたんだっけ・・・?)」
き「(森ったって、そんなに長く歩かなきゃいけないトコなんてこの村にあったか?)」
の「(さぁ・・・それは私にも・・・)」
こ「(うん、森をぬけたのはおひさまがもうしたにいくところだった!)」
き「(そうなんだぁ、そんなに遠い所から引っ越してくるなんてねぇ――――――)」

***

き「そうだ・・・あの時はあたしも話半分程度でしか聞いてなかったから何となく頷いてただけなんだけど・・・結局、具体的な場所はこはきゅから話すことはなかった・・・」
の「うん・・・で、さっきのふらわおばさんとの会話に戻るけど、こはきゅちゃんが話した寒くて静かな所の続きは?」
き「・・・・・・そこでおばさんに遮られた・・・」
の「ふぅん・・・ここより寒くて静か・・・でもって、近所との会話は殆どない・・・か・・・」
き「のえるはどう思う?」
の「う〜ん・・・正直、今の話だけでは検討付かないわね・・・付かないけど」
き「けど?」
の「ふむ・・・ねぇ、学校戻って放課後になったら一緒に図書館に行かない?」
き「へ? 図書館?」
の「商店街を抜けた先にある大きい所がいいわ、あそこに行けば何かヒントが得られるかも知れない」
き「図書館で・・・?」
の「うん、多分ね・・・はっきり言って雲を掴むような話だけどね」
き「雲を掴む・・・か・・・」
の「それはそうときらら、昨日からそれでずっと考え事だったわけ?」
き「うん・・・それもあるけどさ」
の「それも? 他にも何かあったの?」
き「いや・・・えと・・・でもここまで首を突っ込んじゃったらさすがに野暮かな・・・」
の「今は私たちだけよ、さっきも言ったけど、他の子には言わないから安心して言って」
き「あ・・・う、うん、分かった・・・ほら、こはきゅってお母さんとふたりっきりじゃん・・・お父さんとはなんで一緒じゃないのかなぁ・・・とか、さ」
の「それはご法度よ、こはきゅちゃんもきっと、私たちみたいに家族とかクラスメイトの間で何か深い理由があってこの場所に引っ越してきたんだろうから、例え知りたくてもむやみに訊いたりしちゃダメだと思う――いくら友達だからって、私ときららみたいに小さい頃からずっといっしょに過ごしてきたわけじゃないし、それに関してはこれ以上詮索するのは止めにしましょう」
き「そうか・・・そうだよな・・・うん」
の「うんっ、さぁ、さっさと絵を仕上げてしまいましょう、もうそんなに時間ないわ」
き「あぁ」

******

こ「わぁ・・・おおきいおはな〜・・・」
ち「こ、これは・・・し、白詰草だ・・・・・・なんでここに白詰草が・・・」
こ「しろつめくさ?」
ち「そ、さっきこはきゅがみつけたクローバーが成長して花が咲いたのを白詰草という・・・・・・」
こ「・・・?」
ち「待てよ・・・? よく考えてみたら、この周りだけ何でこんなにいっぱい咲いてるんだ・・・? ・・・しかもこんなバカでかく成長して、さらに光るなんてありえない・・・それがなぜ・・・?」
こ「ん? なになに?」
ち「光る植物は、とらんぷたうんにある魔法を閉じ込めた種と球根だけのはず・・・白詰草は球根じゃない・・・」
こ「こはきゅがまえにすんでたところをでるときにもみたよ」
ち「前に住んでた・・・?」
こ「うんっ! でもこんなにおおきくはなかったけどね〜――あ、せっかくだ、これでおひめさまのおぼうしをつくろうっと☆」
ち「おひめさまの・・・? ひょっとして、髪飾り? こんなデカい花で・・・」
こ「うん♪ それ、かみかざりぃ〜っ、 これなら2,3ぼんくらいでつくれちゃうよね? ――よぉし、や〜るぞぉ♪」
(セッセ・・・セッセ・・・)
ち「白詰草・・・たしか、前に図書室の本に書いてあったよな・・・蒼き清浄の星・西の都が原産とされる帰化植物・・・別名は“クローバー”・・・オイラたち妖精の星には本来咲かない植物のはず・・・それがなぜ・・・?・・・こんなのオイラたち妖精がまともに使える魔法じゃない・・・なんなんだ・・・一体・・・!」
こ「(セッセ・・・セッセ・・・)」
ち「・・・・・・」
こ「よぉし、で〜きた☆」
(ファサッ)
こ「えへへ〜おひめさまぁ☆」
ち「(゚−゚*)・・・・・・」
こ「なぁんてねっ♪ こはきゅ、そこまでまだせーちょーしてないよねっ」
ち「い、いや、そんなことはないと思う・・・! す、スゴく・・・か、かわいい・・・!――って、オイラさっきから何言ってんだか・・・ハハハハ・・・(*`゚∀゚)ヾ」
こ「えへへ、アリガト♪」
(ピカッ――ピカッ――)
ち「・・・!」
こ「うん、どうしたの、ちゅにんくん?」
ち「髪飾りが・・・!」
こ「え・・・?」
ち「な・・・眩し・・・!」
こ「え? えぇ?」


―――――――――――


――――――――・・・


―――――・・・・・・


・・・・・・


の「うん、こんなモンかな♪ きらら、出来た?」
き「もう少し!」
の「うふふ、きららの絵って勢いがあって私は好きだよ、きららっぽくて♪」
*「お〜い、あと5分で集合時間だぞ〜〜!! そろそろ戻る支度しとけってさぁ〜〜!!」
の「はぁい!! ありがとう〜!!」
き「なに!? もうそんな時間かぁ?」
の「まだ大丈夫よ、慌てないで描きなよ」
き「よぉし、これでいいや!何とかギリギリ間に合ったぁっ!」
の「あれ、そう言えばこはきゅちゃんとちゅにんくんは?」
き「え? アイツら、あたしたちのすぐ近くに居なかったか?」
の「あ・・・ねぇ、きらら、これ・・・!」
き「・・・こはきゅのカバンと日記帳だ・・・ちゅにんの道具もある・・・こんなトコに放っぽり出して、アイツらどこ行ったんだ・・・?」
(グイ・・・)
き「ん、どうしたのえる?」
の「あ・・・あ・・・」
き「何だよ・・・って・・・な、何だアレ・・・!?」
の「光がどんどん広がってく・・・!」
き「・・・行ってみよう!」
の「え・・・でも集合時間が・・・」
き「こはきゅとちゅにんかも知れないだろ! 行こう!」
の「あ・・・ちょ、ちょっと待ってよぉ!!」

******

(ガヤガヤ――)
め「さて、みなさん揃いましたか?」
*「先生、きららとのえる、それにちゅにんくんとこはきゅちゃんがまだ来てないで〜すっ」
め「あの子たちね・・・――はい、みなさんお静かにっ!」
(ピタッ)
め「みなさんは先にここでお昼ごはんとお昼休みにします、先生はまだ来てない子たちを探してきますので、この辺を離れることのないようにして下さい、その後また各自で残りを仕上げる段取りで行きます、いいですか?」
*「はぁ〜い!!」

め「まったく・・・あの子たちの仲の良さはいいけれど、その前に朝あれほど遠くまで行かないようにって言ったのに・・・・・・ん?」
――――
め「はぁ・・・道具まで放ったらかし・・・きららちゃんとのえるちゃんのかしら・・・? あ、あっちにも・・・!」
――――
め「間違いない、このカバン見覚えがある、やっぱりちゅにんくんのだ・・・! こっちはこはきゅちゃん―――日記帳・・・? すごい光り方・・・並の魔力じゃないって言う証拠・・・それよりみんな、どこなの・・・?」
(ザッザッ・・・)
め「・・・白詰草・・・いや、違う・・・でもなんでこの星に・・・!? そんな・・・まさか・・・!!」


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