★だい5わ:こはきゅのあたらしいがっこう★


つ「お〜結構デカイ森だな・・・それにどういうわけか風も不自然に強い・・・でもこの程度なら飛んで行けないこともないだろ」
た「・・・・・・」
つ「ん、どうしたんだぁたちばな、さっさとこんなとこ抜けてしまおうぜ!」
た「・・・果たしてお前にここを空中で行けるかな?」
つ「・・・ハ? どういうこった?」
た「ここを空を飛んで行けるかと言っているんだ」
つ「オイオイ、バカにしてんのか? 空のスペシャリストであるこのつりばな様をなめちゃ困るぜ!」
た「・・・・・・悪い事は言わん、ここは面倒でも歩いて進むべきだ」
つ「冗談! 俺は行くぜ!! とぉっ!!」
た「・・・・・・」

つ「・・・・・・こんなに険しかったんだ・・・」
た「言っただろ、この辺は下手に飛んでいくより歩いて進んだ方がいいと」
つ「何で最初に言わねぇんだよ・・・」
た「俺は言った、面倒でも歩いて進むべきだ、と」
つ「く・・・!」
た「いくら若いし鍛えているとはいえ、生身の妖精なのだから限度がある、それに我々が今進んでいるこの山間部は、星の中でもとりわけ気候の変動が激しい、現地ほどではないかもしれんが、危険区域に匹敵する地帯なのだ」
つ「現地ほどではない・・・と言うことは・・・」
た「この森を抜けたら、より険しい道に差し掛かる――それこそ一歩でも間違えれば、命を落としかねないほどのな・・・」
つ「――マジかよ・・・!」
た「王様も苦渋の選択であったのだ・・・あのお方は普段から淡々と物事を仰る方だが、今回の任務がどれほど険しいという事を・・・」
つ「・・・すまなかった・・・」
た「?」
つ「調子に乗ってんのはほいすとじゃない、このオレだったんだ・・・!」
た「ふふん・・・珍しいな、お前の口からそんなセリフが出るとはな」
つ「・・・・・・」
た「いずれにしても、現地に着くまで5日は考えた方がいいな――もう少し先に小さい村がある、そこで今後の食料と今夜の寝床を確保しよう」
つ「・・・ほいすとはもう着いたのかな・・・」
た「ん?」
つ「・・・今回ばかりは自分を過信しすぎた・・・ほいすと程ではないとはいえ、ある程度は釣り合うレベルまで強くなったと思ってた・・・」
た「そう知覚出来ただけでも十分成長かもな」
つ「・・・奴に追い付ける日は来るのかな・・・」
た「さぁな、それはお前の今後次第だ」
つ「・・・・・・」
た「ほいすとは、兄であるなぽれ殿とずっと一緒に行動してきた――なぽれ殿の強さを誰よりも間近に見ていた戦士だから今のレベルに達している――今度は、我々がそれに追い付く番じゃないのかな?」
つ「お前は兎も角、オレに出来るかな・・・?」
た「さっきのでそんなに凹んだのか? だったら現地に着いてからにしてもらいたい」
つ「なぁ、たちばな・・・もしかして過去にこの辺行ったことあるのか?」
た「ん・・・まぁな」
つ「教えてくれ!」
た「?」
つ「その時の出来事を・・・!」
た「・・・分かった、歩きながらでいいな?」





た「・・・―――ずいぶん昔のことだが、死んだ父と一度ある目的があってここを通った事があるんだ・・・あの時は確か2週間・・・いや、それ以上掛かったかもしれない」
つ「2週間・・・!片道で・・・?」
た「ああそうだ、あの頃は自分もまだ子供で非力だったしな・・・だが、普通の大人では5日では絶対通り抜けられない、迂闊に急がば命に関わる・・・! それだけははっきり言える」
つ「・・・そうなんだ・・・」
た「この辺はまだ上空の風が強いだけで済む――だが、この先の山道は足場が非常に悪いし、空気も薄い――それも年々酷くなっているという」
つ「・・・」
た「正直言って、俺もここを通り抜けられるか自信はない・・・それ位危険な道のりなのだ」
つ「・・・・・・!」
た「・・・怖気付いたか?」
つ「いや、自分が如何に愚かなのかを知らしめられた気分だ・・・」
た「何を言ってるんだ、逆に幸運だと思え」
つ「・・・? どういうことよ?」
た「我々は選ばれたのだ、数多い兵の中から我々だけが選ばれたのだ、それを誇りに思えという事だ」
つ「・・・」
た「一見何てことの無い任務に見えるが、俺はこの星の運命が掛かっていると思う」
つ「この星の運命・・・?」
た「焦ることはない、それに今回は急いで行ける距離や地帯ではないことは王様もお察しの通りだ」
つ「・・・・・・」
た「・・・お前らしくないぞ、、、そう弱気になるな、今の我々なら例えゆっくりペースでオーバーしても7日以内で行けるはずだ」
つ「・・・7日」
た「7日もあれば十分だ、我々だって最初の頃より随分強くなった、だから自信を持て」
つ「ああ・・・今度は油断しねぇ!」
た「よし、では行くか」

*:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*


こ「おはよ〜ございますっ」
母「おはよ、さぁ、いよいよ今日は学校の日ね」
こ「うん――あれ、おかあさんも今日はおでかけ??」
母「今日は一緒に行きましょう、私も学校の人たちに改めてご挨拶しなくちゃいけないから」
こ「わぉ♪」
母「さぁ、早く顔を洗ってらっしゃい、初日から遅刻なんてしちゃったら恥ずかしいわ」
こ「はい♪」




母「火の元確認OK」
こ「とじまりオーケー♪」
母「さぁ、行きましょう!」
こ「うん♪」
(ガチャ)←鍵を掛ける




こ「きょうはとってもいいてんきぃ〜〜♪」
母「本当ねぇ、まるで今日の私たちをお祝いしてくれてるみたいね」
こ「う〜んきもちいい〜〜♡」

こ「ねぇねぇ、あたらしいがっこってどんなことをするのかなぁ?」
母「めるてぃ先生には聞いてないの?」
こ「えっとぉ・・・そういえばきいてないや」
母「あらら(笑)、まぁでも、これからゆっくり慣れて来るわ、うんと楽しんでらっしゃい」
こ「はぁい♪」
母「それと今日は午前中で終わるんだよね? お昼ごはん、何にしようか?」
こ「う〜ん、なにがいいかなぁ・・・パン・・・はさっきたべたし〜――う〜ん・・・」
母「あ、そうだ、ここに引っ越した時にさくらおじさんから貰った小麦麺があったわ、久しぶりに麺類にしましょうか?」
こ「さくらおじさんのつくったこむぎめん、おいしいんだよねぇ〜(´▽`*)」
母「さぁ、着いたわ」
こ「あれ、もう?」
*「ねぇ〜君ぃ〜!」
こ母「?」
*「やっぱりそうだ、こないだめる姉と一緒に歩いてた子だよね?」
こ「あ・・・・・・はい・・・めるねぇ・・・?」
*「める姉から聞いたよ、今日から学校に通うんだろ?」
こ「は、はい・・・」
き「あたしは“きらら”、あたしもこの学校に通ってるんだっ」
こ「こ、こはきゅ・・・です・・・」
き「こはきゅかぁ〜いい名前じゃん、ヨロシクな、握手☆」
こ「あ、あくしゅ・・・!」
き「そして、お母さんもはじめまして握手☆」
母「よろしくね、きららちゃん」



母「それじゃこはきゅ、しっかりね! ――きららちゃん、こはきゅのこと宜しくお願いしますね」
き「任せて下さいっ!」
こ「いってきますっ」
め「あ、居た居た! おはようこはきゅちゃんと・・・あら、きららちゃんも? いつの間にか仲良しさん?」
き「へへ〜♪」
こ「おはようございます、めるてぃせんせ♡」
め「ウフフ、おはよ、こはきゅちゃん♪ さぁ、教室はこっちよ」
(キーンコーンカーンコーン・・・)
き「うわ、もうチャイムか! そんじゃお先!」
め「は〜い、廊下はゆっくりねぇ〜――――さ、行きましょう、こはきゅちゃん」
こ「うぅ・・・」
め「ん、どうかした?」
こ「なんか、いっきにきんちょうしてきた・・・!」
め「大丈夫よ、私も一緒だし♪」
こ「そうだけどぉ・・・」
め「大丈夫♪大丈夫♪――さ、ここがこはきゅちゃんの教室」
こ「おー・・・」
め「ここでちょっと待っててね、私が合図したらこはきゅちゃんも入るの、いい?」
こ「う、あ・・・はい・・・」
め「そんなに堅くならなくても大丈夫っ♪」

(カラカラカラ・・・)
め「ハイみなさん、今日もおはようございます」
※「おはようございます〜」
め「さて、ちょっとここのところバタバタしていて、皆さんにはお知らせしてませんでしたが、今日から新しいお友達が仲間入りです」
※「おぉ〜!!」
*「わ〜ホントう?」
*「センセ、かわいいコですかぁ?」
*「オマエ、いきなりだなww」
*「それとも男の子?」
*「カッコイイ?」
*「カッコかわいい?」
め「んふふ〜♪ かわいいの前に“とっても”が付きます♪」
*「イヤッホ〜♪」
*「女の子だぁ♡」
*「オマエ、結局どっちでもいいのかw」
※「ハハハハ――――」
め「さてさて、ではさっそくご紹介しますよ、こはきゅちゃん〜入って下さい〜!」

(カラカラカラ・・・)
※「オォォォォォ・・・」
き「(小さく手を振りながら心の中で)ファイト・・・こはきゅ」
め「ハイ、ではではみんなに自己紹介をお願いしますね」
こ「は・・・ハイ、こ、こはきゅといいます、み、みなさん、よ、よろしくおねがいします・・・!」
*「ブラボーーーーーーーー!!!」
※(パチパチパチ・・・・・・!!)
め「ハイ、よくできました♪ では今日からこはきゅちゃんが加わってのクラスになります、皆さん、合言葉は?」
※「今日もおはようございます!!」
め「こはきゅちゃん、これが私たち学校の朝のあいさつ、覚えておいてね」
こ「は、ハイ、きょうもおはようございますっ」
*「☆-ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノイエーイーーーーーーーー!!!」
※(パチパチパチ・・・・・・!!)



き「そうなんだぁ〜そんなに遠い所から引っ越してくるなんてねぇ」
*「大変だったでしょ〜?」
こ「うん、でもね、もりをぬけたあとはおくるまできたの」
*「車? この近くに親戚いるの?」
こ「うん、さくらおじさん☆」
*「さくら・・・? って、まさか、きざくら?」
き「きざくらの社長さん? まっさかぁ〜! 違う人だろぉ〜」
こ「おかあさんがいってたけど、ものをはこぶおしごとをしていて、とってもエラい人なんだって」
き「・・・」
*「・・・」
き「あながち、間違いじゃないかもな・・・」
*「・・・みたいね」
こ「???」
*「まぁ、それはいいとして―――きらら」
き「ん、何? のえる」
の「あとできららん家に行こうよ! こはきゅちゃんとお友達になった記念に」
き「転校生への歓迎祝いってヤツか、いいねそれ行こう!・・・て、そんなんでいいのか?」
こ「あ・・・おかあさんだ! おかあさ〜〜〜〜ん〜〜〜!!」
き「ありゃりゃ、どうやら先約のようだな」
の「こはきゅちゃんのお母さん、すっごい美人〜・・・あ、手振ってる・・・またねぇ、こはきゅちゃあん!!」
き「また明日な〜こはきゅ〜!!」




こ「はぁっ、おかあさん♡」
母「おつかれさま、学校どうだった?」
こ「うん、みんななかよし♡」
母「そう、それはよかった」
こ「おかあさんもいまおわったの?」
母「うん、私も本当は昨日までにご近所や学校のみんなにご挨拶しなくちゃいけなかったんだけど、バタバタしているうちに今日になっちゃったからね」

こ「じゃあ、ごきんじょはこはきゅがあんないするね☆」
母「え? もしかして、もう道覚えちゃったの?」
こ「うん、こないだめるてぃせんせいといっぱいあるいたから」
母「なるほどね――さ、まずはお家に帰ってお昼ごはんにしましょうか?」
こ「こむぎめん♪ こむぎめん〜♪」


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