登場人物

 

遠野 志貴

月姫における主人公。「 直死の魔眼 」保有者。「 モノの死 」を線と点で視覚情報に捉えることが出来る。事実上、彼に殺せないものはない。
性格は温和で癒し系。原作では高校二年生だが、今作では原作より一年弱が経過しているため高校三年生。ギャルゲーの主人公よろしく、朴念仁のくせにモテる。

 

アルクェイド・ブリュンスタッド

俗に吸血鬼と呼ばれる化け物。真祖と呼ばれる吸血鬼の大本であり、その真祖に造られた最強の真祖。原作では遠野志貴に十七個に解体され志貴と知り合い、次第に惹かれてゆく。
性格は陽気で明朗快活。猫のように気まぐれだが彼女が本気になれば、例え埋葬者であろうと死徒二十七祖であろうと敵うべくもない。真祖の姫君。

 

シエル(知得留)

代行者。埋葬機関という異端審問組織の七位。黒鍵と呼ばれる剣に似た投擲武器を愛用するため「 弓 」と呼ばれる。
性格は温和で明るいお姉さん。包容力があるせいかいつも損な役回りが多い人。今作でもそう。彼女自身、死徒二十七祖のロアの転生体であったため吸血鬼を憎んでいる。アルクェイドとは犬猿の仲。

 

遠野 秋葉

志貴の妹。とは言っても血は繋がっていない。遠野の家系は古くから鬼との混血であるため、彼女にもその血が流れている。「 檻髪 」という、対象の熱を奪う異能を有する。
性格は典型的なお嬢様。だが志貴を好いているので惚れた弱み、ということでかわいい一面も持つ。

 

シオン・エルトナム・アトラシア

TYPEMOON原作、渡辺製作所製作の同人ゲーム「 MELTYBLOOD 」のメインヒロイン。エーテライトと呼ばれる糸状の形をしたナノ単位のフィラメントを駆使して対象の思考を読み、記憶を引き出し、運動を制御してしまう。確率と統計を支配するアトラスの錬金術師。
性格は真面目で遊びがないが、実は遊びたがっている委員長タイプ。その身は吸血鬼に侵されているが、救われ、吸血鬼化の治療を約束した友人である志貴によって吸血衝動を抑えている。今作ではアトラス院の次期代表者たる称号「 アトラシア 」を返還し、教会と魔術協会に追われている身である。

 

琥珀・翡翠

遠野家侍女。琥珀は秋葉を、翡翠は志貴に付いている。双子の姉妹で、姉である琥珀はなかなかの策士である。俗に、マジカルアンバー。妹の翡翠は引っ込み思案で、メイドの鑑とも言える。俗に洗脳探偵。

 

ロア

今作には登場しないが、原作では死徒二十七祖に分類される、吸血鬼。死徒二十七祖とは、元々は真祖の食事用に用意された人間が真祖の僕として存在しているものだった。だがいつしか真祖の支配から逃れ、強い思考能力と意志と力を持つに至った二十七の吸血鬼を死徒と呼び、死徒二十七祖と分類された。
死徒は不老不死であるが、人間の血液がないと著しく力が減退し、死に絶える。その矛盾を解決するために二十七祖たちはあらゆる術を以って不老不死を体現している。ロアは魂を転生させることによって事実上の不老不死を完成させた。だが原作で志貴と対決。彼に死を見舞われる。通称アカシャの蛇。転生無限者。シエルも彼の転生体だった。

 

ネロ・カオス

死徒二十七祖。今作には登場しない。体に666もの獣の因子を内包している。666もの命の混濁である彼も不老不死である。原作で志貴と対決。だが、彼に「ネロという存在」そのものを殺され、死に至る。体から獣を出して攻撃するが、何が飛び出るか彼自身把握できていない。故に混沌( カオス )。

 

タタリ

MELTYBLOODのラスボス。死徒二十七祖。ワラキアの夜。本名をズェピア・エルトナム・オベローン。その名前から察するとおり、シオンの先祖である。彼は現実に存在してもおかしくないような噂を自らが現実化させることによって、不老不死を完成させた。アルクェイドの協力を得て、志貴とシオンが本体を倒すことに成功。今作には登場しない。

 

ウォルフガング

教会に所属するエクソシスト( 悪魔祓い )。シエルはエクセキューター( 悪魔退治 )。退治しないのがミソ。彼は埋葬機関ではない。情報収集や隠密行動に長けている。なお、シオンは彼を埋葬機関の代行者と勘違いしていた。それほどに、彼の戦闘能力は凄まじかったのである。
原作には登場しない、作者オリジナルキャラ。

 

乾 有彦

月姫における志貴の親友であり悪友。姉と二人で暮らしている。一見、遊び人風だがなかなかに卓見である。TYPEMOON原作同人ゲーム月姫ファンディスク「 歌月十夜 」では彼の過去と志貴と知り合った経緯が語られている。唯一、ただの人間。

 

弓塚 さつき

死徒。ロアによって吸血鬼化した少女。志貴と有彦の同級生。志貴を想っていたが、吸血鬼化したことによってその想いは揺れ、歪み、そして潰える。志貴自身によって殺され、最後まで笑みを絶やさなかった悲運の人。薄幸の美少女という言葉がこれでもかというほど似合う。今作では登場しない。

 

シキ

遠野四季。今代のロアの転生体。秋葉の実の兄。志貴とも親友だったが十一歳のときに反転衝動という遠野家に伝わる鬼の衝動によって志貴を殺してしまう。以来、父親の遠野槙久によって地下牢に幽閉されてきた。原作でロアとして蘇り、志貴によって殺される。今作では登場せず。

 

往間 四郎(シロー・ボーマン)

念動力者。超能力者である彼は念を飛ばして対象を捻じ曲げたりできた。だが一度殺されたことによってその念の在り方が変わり、糸状になってしまう。そして志貴との戦いの中、更にそれは覚醒していく。
元々は善良な一市民に過ぎなかったが殺されたことによって壊れていく。
なお、原作者である奈須きのこさんとは念動力の解釈が少しばかり違う。念動力の奈須きのこさんの解釈は小説「空の境界」参照のこと。
月姫にも空の境界にも登場しない、作者オリジナルキャラ。

 

ガウ・イェーガー・アトラス  

魔術協会三大部門の一つ、”巨人の穴倉”ことアトラス院の代表。代表者は皆アトラスの名を冠する(シオンは女性のためアトラシアとしている)。
確率と統計を支配するアトラスの錬金術師、とは言っても彼が得意とするのは実はルーン魔術。シオンを孫娘ほどに目をかけていた。月姫にもMELTYBLOODにも登場しない、オリジナルキャラ。

 

クロフォード  

アトラス院の教官。魔術師としても錬金術師としても才能はさほどなく、シオンにとってはアウトオブ眼中。何故教官になれたかというと、彼の家柄が名門だったからに過ぎない。月姫にもMELTYBLOODにも登場しない、オリジナルキャラ。

 

魔術師たち  

往間四郎を蘇生させた者たち。厳密に言えば四郎はまだ死んではいなかったが、彼の魂を別の器に固定させた。これだけ聞くと魔法のようなものだが、保存状態のよい肉体と魔力補給の出来る優れた土地を用意すれば四郎の魂は器に固定されると言う、非常に特異なものだった。ほとんど第三魔法を体現しているようなものである。
四郎が殺される以前から四郎とは協力関係にあり、吸血鬼の全てを憎んでいた。そして四郎が殺され彼らの末路は、本編を参照のこと。