★たんぺん2:こはきゅとぷらねたりうむ★


凡例 / こ:こはきゅ  め:めるてぃ  き:きらら  の:のえる
  母:おかあさん  い:いちご  放:アナウンス

(プルルルルルル―――ガチャ)
母「はい、もしもし・・・はい、今変わりますね――こはきゅ、のえるちゃんからお電話よ」
こ「のえるおねえちゃん? はぁい、いま出まぁ〜す☆」

こ「はい、こはきゅです」
の「(もしもし、こはきゅちゃん? 今暇かな?)」
こ「うん、だいじょうぶだよ☆」
の「(そっか、これからきららと商店街に行ってショッピングするんだけど、よかったらこはきゅちゃんもどうかなと思って)」
こ「しょっぴんぐ? こはきゅも行きたぁい☆」
の「じゃあ決まりね、そしたら――正午に学校前で待ち合わせでいいかな?」
こ「うん、オーケーだよ☆」
の「じゃあ、また学校で。遅刻しちゃダメよ♪」
こ「あいあいさーです☆」

(――チン―・・・)
母「なに、クラスの子と遊びに行くの?」
こ「うん、いいよね?」
母「いいけど、車に気をつけていくのよ?」
こ「はい、あいあいさーです☆」
母「アイアイサーって・・・どこで覚えたのやら(。´v`)」
こ「それじゃ、行ってきまぁす☆」
母「今から出るの? 気をつけてね」
こ「はぁい☆」

(――ペラッ・・・)
母「あら、何かしら・・・?―――プラネタリウム・・・? へぇ、懐かしいわねぇ・・・」


(ガチャ――)
こ「お!?」
き「よっ」
こ「きららおねえちゃん!」
き「こはきゅも呼んだってさっきのえるから電話が来てさぁ、通り道だから寄ってみたんだ、こはきゅもこのみ屋に行くんだろ?」
こ「このみや?」
き「ああ、のえるから聞いてないのか? ショッピングに行くって」
こ「うん、きいた」
き「とりあえずのえるん家に行こう!、遅刻しちまう!」
こ「あいあいさ〜☆」
き「あ?」

・・・・・・
・・・
母「・・・・・・この辺の子達って、結構せっかちなのかしら・・・?」


き「ほらほら、早く早く!」
こ「はひっ、きららおねえちゃん、はやいよぉ〜(;´Д`)」
き「だらしがねぇなぁ、ほれ、ダ―――ッシュ!!」
こ「だ、だぁぁ〜〜っしゅぅ――・・・」
き「おそ〜い〜ぞぉ、こはきゅ〜!!」
こ「はひ、はひ・・・きららおねえちゃぁん、まってぇ〜(;´Д`)」

―――――
―――


こ「ハァハァ・・・つ、ついた・・・」
の「そんなに急がなくても、お店はまだやってるのに」
き「へへ〜んっ、あたしの勝ちっ!」
の「きららも大人気ないね、こはきゅちゃんはまだ小さいんだからも少し手加減してあげなよ〜」
こ「はひ〜・・・でも、いつからかけっこになってたのぉ〜・・・?」
き「今」
の「・・・どっちがこどもなのやら・・・・ω・`;)・・・行きましょうか?」
こ「ふゎ〜い〜」
き「それよりも、今日はこのみ屋だけか?」
の「もちろん、この後はこのみ屋で用事を済ませるんだけど、きららもこはきゅちゃんも今朝のチラシ見なかった? ポストにこれ入ってたの」
(ペラッ)
き「あ〜コレねぇ・・・確かに貰ったけど、あたしは行くことはないと思ってたからなぁ〜・・・」
こ「ぷらねた・・・りうむ―――・・・ってなぁに??」
き「なに、プラネタリウムも知らんのか、こはきゅ?」
こ「うん」
き「ソフトクリームといい、こはきゅんトコはどうなってんだ、一体・・・」
の「ほら、このチラシにも載ってるけど、この大きい建物の中で星を見ることができるんだよ」
こ「ほし? いま、おひるなのに?」
の「そ、とってもキレイなんだよ〜♪」
こ「ふぇ〜、こはきゅ、いきたぁい!!」
き「あたしは絶対寝ちゃいそうだな・・・ま、行くけど☆」
の「次の上映開始からまだ3時間近くあるから、先にこのみ屋で用事済ませちゃお!」
き「3時間・・・ん? オイオイ、このチラシよくみてみろよ、商店街からムチャクチャ遠いぜ、これは歩きじゃ絶対行けネェぞ!」
の「あ・・・ホントだ・・・! しまった・・・場所まで調べてなかったなぁ・・・」
こ「いけないの? ぷらねたりうむ?」
の「う〜ん・・・・・・」
こ「(。-´ェ`-)ションボリ・・・」
め「あら、女の子たちお揃いね♪」
こ「あ、めるてぃせんせ〜だぁ、こんにちは〜(*^∀^)」
め「こんにちは、こはきゅちゃん、みんな――あら、そのチラシ、プラネタリウムのでしょ?」
き「あぁ・・・そうなんだけどさぁ・・・この辺からじゃ遠くて歩いて行けないから困ってたんだ」
め「そう・・・・・それじゃ、私の車に乗ってく?」
き「Σ(`・Д・)・・・!」
の「え、先生って車持ってたんですか?」
め「もちろん♪ ――といっても、ついこないだ買ったばかりなんだけどね」
こ「こはきゅ、ぷらねたりうむにいきたぁい!!」
め「よし、それじゃそうしましょ! 私もたまたまそこに行くつもりだったのよ」
の「ありがとうございます先生、助かりますっ!」
め「いえいえ、もうさっそく出発する? 次の上映まではまだ時間あるはずよ」
の「ええ、このみ屋でお買い物してからと思ってたんです」
め「このみ屋かぁ〜、そう言えば最近行ってなかったわ、私も見に行こうかな♪」
の「行きましょう!」
こ「わぁいっ☆ せんせ〜といっしょぉ〜♪ヾ(*´∀`*)ノ」


の「さて、このみ屋も済んだことだし、いよいよプラネタリウムだよ、こはきゅちゃん♪」
こ「ワクワク☆(o*^∀^)o」
め「それじゃ、まずは私の家まで――」
こ「おーおーっ!!!」
め「うふふ♪ こはきゅちゃんカワイイ♪(ナデナデ)」
こ「(*´∀`)エヘヘ」
き「(・・・なぁ、のえる・・・!)」
の「(ん? どしたの?)」
き「(大丈夫かな・・・?)」
の「(え? 何が?)」
き「(さっきがめる姉が言ってたの気付かなかったのか? “車はついこないだ買ったばかりだ”って・・・)」
の「(ついこないだ・・・? そんなこと言ってたっけ・・・?)」
き「(あたし・・・パスしようかな・・・)」
の「(大丈夫よ、あの落ち着いためるてぃ先生のことだもん、きっと運転だってそつなくこなせるでしょ?)」
き「(いや・・・その・・・それがさ―――)」
め「ふたりともどうしたの〜〜〜?」
こ「はやくはやくぅぅぅぅ!!!! せんせ〜のおうちについたよぉぉぉぉ!!!」
の「あ、はぁ〜〜い!!」

き「・・・そっか・・・のえるには話してなかったか・・・」


こ「あ、せんせのかみとおなじいろだ♪」
の「かわいい車ですね♪」
め「そうなの♪ 車屋さんでこれを見たときに一目ぼれしちゃってね〜♪」
の「これが最近人気だって言うコンパクトカーってヤツですか?」
め「うん、燃費もすごくいいし、安いし乗りやすいし運転しやすいし、いいことずくめなのよ♪」
こ「こはきゅ、まえにのる〜♪」
の「・・・行こっ、きららっ」
き「あ、ああ・・・」
(ガチャ)
こ「あれ、せんせ、メガネ?」
め「そうよぉ〜♪ 先生を始めてから視力が落ちちゃったからね〜、これが無いと運転できないのよ」
こ「おかあさんもほんをよむときはときどきメガネかけてるっ」
め「そうなの? 私も車の運転とデスクワークはメガネをかけてるのよ」
こ「ですくわぁく??」
め「うん、こはきゅちゃんたちで言うお勉強のことよ」
こ「せんせいもおべんきょ〜するの?」
め「もちろん、先生が勉強しないとこはきゅちゃんたちにお勉強を教えてあげられないでしょ?」
こ「そっかぁ、そうだよねぇ〜」
(ブルルルル――)
こ「おぅ!?」
め「うふふ、びっくりしちゃった、こはきゅちゃん?」
こ「えんじんのおとだね? ちょっちびっくり♪」
の「あ、でも凄く静かだ」
め「燃費がいいのは、私の魔法を閉じ込めた特殊な石をエンジンに埋め込んでいるの」
こ「まほう?」
め「車で使うオイルの代わりに、魔法の力と石の摩擦によって生まれる新しいエネルギーで車を動かすの。だから、石さえちゃんと車に積んでいれば、どこでガス欠を起こしても自分の魔力でいつでも補充できるのよ。――ガス欠とは言わないか、石ケツ・・・、かな?」
の「石ケツって・・・何か語呂悪そう・・・(;´ー`)」
き「・・・・・・」
め「ん、きららちゃん、どうしたの?」
の「あ、あの・・・き、きららは車酔いしやすいらしくて・・・」
め「あれ、そうだったの? んじゃ、ちょっと待ってて」
(ガサガサ――)
め「あった☆」
こ「なぁに、それ?」
め「酔い止めよ、車に乗って気分が悪くならないように飲むお薬よ、はい――あ、お水は・・・トローチタイプだから舐めるだけで大丈夫ね」
き「・・・・・・」
の「(いいから飲んどきなよ・・・)」
め「きららちゃんの具合が悪くならないようにゆっくり行きましょう、時間はまだ十分あるし――それじゃこはきゅちゃん、出発ぅ〜」
こ「おーおー♪」


(ブロロロロ―――)
き「・・・・・・あれ?」
の「やっぱり何でもないじゃん、どうやらきららの思い過ごしだったみたいね」
こ「ん〜? なになに、どうしたの?」
き「普通に運転できてる・・・」
め「そうよぉ、きららちゃんったらホントに酷いんだからぁ」
き「いや・・・だって、あの時は・・・」

*:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*


き「あれ? める姉、その車どうしたの?」
め「えへへ、買っちゃった♪」
き「へ〜カッコイイじゃんっ」
め「ちがうっ、カワイイのっ!」
き「(子供か・・・っ)で、これからどっか行くの?」
め「うん、今日はいつもの商店街じゃなくて隣町のデパートまで行こうと思って」
き「デパート!? ねぇ、あたしも連れてって!」
め「いいわよ、それじゃ乗ってっ」
き「やったぁ! デパートなんて滅多に行けないからラッキーだぁ☆」
め「シートベルトはちゃんと締めた? じゃ、行くよぉ〜」

(ブォォォォォォォォォ―――――――――――!!!!!!)
き「わぁぁぁぁぁぁ!!!! す、す、す、スピードあげ過ぎィィィ!!!」
(キキキキィィィィ―――――――――――!!!!!!)
き「だぁぁぁぁあぁ!!!! ぶ、ぶ、ぶ、ブレーキはもっとゆっくりィィィ!!!」
(ゴゴゴゴゴ――――――――――!!!!!!)
き「ナ・・・! 今の音は何・・・!?」

―――

(ブロロロロ―――)
め「ハァ〜・・・死ぬかと思った・・・」
き「それはこっちのセリフだ・・・!」
め「一時はどうなるかと思ったけど、何とかなったわね( ´゚з゚)=зフゥ」
き「そうだな・・・ってギャアアアアアアアアア!!!!、前見ろぉぉぉぉぉ!!!!」


*:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*


め「――きららちゃんったらそれっきり、“怖くて乗れねぇ”って言うモンだから」
の「・・・いや、それはどう考えても先生に落ち度があるのでは・・・( ´゚д゚`)」
め「だから、あれから一生懸命練習したのよっ」
の「でも、さっききららが話してた割には、車のキズとかは全くないですよね」
め「Σ(゚〜゚;(ギクッ」
き「のえるよぉ・・・さっきの話を聞いて、その後も車が無傷で居られると思うか?」
の「・・・・・・ええとぉ、と言うことは、・・・やっぱり1度は修理か何かに出されたと・・・?」
き「トトカルチョだ! 3回!」
の「3回も・・・!? いや、いくら何でもそこまでは・・・」
め「(。-´ェ`-)・・・・・・」
こ「・・・? せんせ?」
き「チッチッチ、甘いなぁのえる・・・最近、める姉の弁当を見たか・・・?」
の「お弁当?」
き「給食だったらみんなラインナップが一緒だからごまかせたトコだろうが、この学校は各自で弁当持参だ! だからめる姉のサイフがどれだけペラッペラなのかがすぐ分かる! こないだなんてラスク一袋だぜ! たとえダイエットだとしても無理がありすぎる!」
め「(;-´ェ`- ←(グサッ――ダイエット・・・お願いします、もういじめないで下さい・・・(泣)」
き「で、何回出したんだ、修理」
め「・・・・・・」
き「白状しろ、白状」
め「よ、4回・・・・・・」
の「・・・・・・( ´゚д゚`)」
き「・・・・・・('A`;)」
こ「きららおねえちゃん、ハッズレ〜♪」
め「で、でも・・・ちゃんと保険入ってるからペラペラじゃないわよ、ペラペラじゃ・・・」
き「そう言う問題かよっ! ・・・今ごろ保険屋が泣いてるな」
の「・・・・・・」
こ「??」
の「のえるもこはきゅも油断するなよ」
め「・・・・・・。゜゜(□`。)゜。ウワァァァァァァン!!」
の「あ〜あ・・・」

(ガチャ)
こ「プハ〜〜、ついたぁぁぁ☆☆」
め「(;ノノ)・・・シクシク」
こ「センセ、さっきからどうしたの? おなかいたいの?」
の「せ、先生、泣かないで下さい、今の運転はちゃんと出来てたんだし、もうそうそうぶつける事はないですよっ、ほら、きららもフォローして!」
き「ま、今回は及第点だな、気を取り直してプラネタ行こうぜ!」
の「うわ、何でそんな上から目線・・・?」
め「そうね・・・行きましょうかぁ〜・・・・・・(* ゚д゚ )」
こ「おーおー♪」
き「あたしはこはきゅが一番羨ましいよ・・・何ぁんにも分かってないもん・・・」
こ「え?」
の「もう止めよ・・・これ以上テンション下げたくないわ・・・」


放「――本日は、トランプ・スピカドームへご来場下さり、誠にありがとうございます。当施設は、只今プレオープン期間中に付き、星際機関関係者及び、星際機関直属の学校関係者のみの無料公開日とさせて頂いております。期間は、来週末までとなっております。なお、明日・明後日は、設備点検のため、全館休館とさせていただきます。どうぞ、ご了承くださいませ。まもなく、本日最後の上映を開始いたします、ご覧になりたい方は当施設内、3号館シアターまでお越しくださいませ――――――」
*「いらっしゃいませ」
め「星際機関・初等部顧問のめるてぃです、私と子供3枚・・・って、アレ!?」
*「やだ・・・! 誰かと思ったら、めるてぃじゃない!」
め「久しぶりだね♪」
*「ちゃんと先生やってるんだね♪」
き「あれ? もしかして・・・」
い「あ・・・! もしかして・・・きららちゃん!? わ〜大きくなったねぇ!!」
き「お久しぶりです、いちごさんっ!」
い「わぁ〜ビックリしたぁ!! めるてぃったらちっとも連絡くれないんだもん、どうしてんのかなぁって思ってたわぁ♪」
の「・・・誰? 紹介してよ」
め「えへへ・・・私の同期なの、いちごちゃん♪」
こ「こはきゅとい〜ます!!」
の「初めまして、のえると言います」
い「や〜ん♪ みんなかわいい〜(((>∀<(。_。(>∀<(。_。(>∀<!!!」
め「うふふ、いちごったら相変わらずね♪」
い「ちょっとちょっとぉ、あとでみんなでお茶しようよ! 次の上映終わったら私も上がりだからさっ!」
放「――本日は、トランプ・スピカドームへご来場下さり、誠にありがとうございます―――」
い「あ、15分前だ! んじゃ、チケット配るからねっ」
め「配る・・・? あ、そうか」
い「ここは会場の入口前に大きなゲートがあるからそこでチケットを通して入れる仕組みなの、この辺は治安がいいから滅多にトラブルが起きる事はないだろうけど、何たって私たち星際機関の管轄でしょ? セキュリティ面もしっかりしてないと万が一のことがあったりしたら示しが付かないじゃない?」
め「そうよね、確かに」
こ「はじまっちゃう!!」
き「慌てんなっ、まだ10分もある」
い「はい、大人1枚と子供3枚」
め「アリガト☆」
い「終わったらまたここに来てね!」
め「うん、分かったわ、 子供たちも一緒でいい?」
い「もちろん☆ 久しぶりにいっぱいおしゃべりしたい!」
め「了解☆」
の「行きましょうか」
こ「おーおーっ」
い「いってらっしゃい、楽しんできてねっ」
こ「はぁ〜い(*^∀^)ノ」


こ「うわぁ〜ひろ〜ぃ・・・!」
き「へぇ〜っ、遠目からじゃ分からなかったけどコイツは迫力あるなぁ」
の「私もこんなに広い施設は初めてだわ・・・」
こ「ここもおくにがけーえーしてるの?」
め「こはきゅちゃん正解!(*ゝω・)b  実はここはプラネタリウムでもあるし、国を通して学校が建設した教育施設でもあるの」
き「学校が建設・・・?」
の「キレイだぁ・・・」
め「来週いっぱいまではプレオープンと言うか試験営業中なの。一般公開じゃないから、今はあなたたちもタダで観れるのよ」
の「え、タダで!?」
き「先生、ゴチになりますっ!!」
の「いや、今タダだって言ったじゃん・・・」
め「あ、そうそう、先に言っておこうかな! ここは上映中に途中で退席はできないから、トイレなどは今のうちに済ませておいてね、あと食べ物や飲み物の持ち込みも禁止」
き「了解っ」
の「分かりました!」
こ「おかしもダメなの〜?」
め「おかしも」
こ「りょーかいっ!・・・ちょっとざんねんっ(´・ω・)」
き「と言うか、あたし、トイレ行って来るわ」
の「あ、私も!」
め「こはきゅちゃんは行かなくて大丈夫?」
こ「こはきゅはへーきっ!」
め「上映は結構長いわよ、本当にいいの?」
こ「うんっ!」
放「――本日は、トランプ・スピカドームへご来場下さり、誠にありがとうございます。まもなく、本日最後の上映を開始いたします。ご覧になりたい方は当施設内、3号館シアターまでお越しくださいませ――――――」
め「始まっちゃうから、先に行きましょ」
こ「おねえちゃんたちはまたなくていいの?」
め「んふふ♪、どうせならいい場所で星を見たいじゃない? だから、私たちはきららちゃんとのえるちゃんの席の場所取り♪」
こ「まいごにならないかなぁ?」
め「そんなこと言ったらきららちゃんに怒られちゃうわよ」
こ「・・・おくちチャック!?」
め「うふふ♪ そうね、今の発言はチャックかなぁ〜?――あ、3号館ってすぐ目の前だったのね」
こ「めのまえだぁ」
め「迷子の心配はないわね(*^v^)」
こ「なぁしっ!」
め「チケットはちゃんと持ってる?」
こ「はいっ」

(ガシャコン――)
め「はい、次はこはきゅちゃん」

(ガシャコン――)
こ「お〜・・・ちけっとがちいさくなっちゃった」
め「行きましょっ」
こ「おーおー♪」


き「・・・あれ、ふたりとも居ないや・・・! 薄情だな、ったく・・・!」
の「きららが長すぎるのよ!」
き「だって・・・しゃあねぇじゃんか・・・」
の「先に行ってるかもよ、私たちも急ぎましょっ! ・・・3号館だったっけ?」
き「どこだ、3号館とやらは・・・3・・・3・・・3・・・くそ、どこにも無いじゃんかぁ!!」
の「受付のいちごさんトコなら近いわ! 訊きに行きましょ、こっち!」
き「くそ・・・!」


の「すみません、3号館は・・・あれ、いちごさんが居ない・・・!」
き「え〜!? ウソだろ・・・! もう帰る支度したのかよ・・・!」
い「あれ、きららちゃんと・・・のえるちゃんだっけ? まだここに居たんだ?」
き「うゎ・・・もう私服に着替えてる・・・って言ってる場合じゃないや、3号館ってどこですか!?」
い「あぁ、3号館なら、ほら」
き「・・・あ・・・」
の「思いっきり目の前だったわね・・・( ゚д゚ )」
い「そんなに慌てなくても、まだ上映まで5分位あるから大丈夫よ♪」
き「める姉とこはきゅは?」
い「さぁ? 私は見てないけど? もう先に入っちゃてるかもね」
き「ニャロ・・・やっぱ薄情モンだ・・・!」
の「すみません、ありがとうございましたっ」
い「ゆっくり楽しんでらっしゃい♪ あたしはこの辺で待ってるからってめるてぃに伝えてね☆」
き「ありがとうございます、よしっ行こうぜ、のえる!」
の「うん!」

(ガシャコン、ガシャコン――ギィィ・・・)

き「あ〜・・・もう結構いっぱいいるなぁ」
の「週末だから私たちみたいに生徒も多いんだね――それよりも、ふたりはどこ?」
こ「きららおねぇちゃ〜ん!!」
き「あ、あんなトコに!」



の「あ・・・席を取って置いてくれてたんですね」
こ「うん、とくとーせきっ!」
き「プラネタリウムにそんなモンあるわけネーだろ、ったく、黙って先行くなんてヒデェよぉ・・・!」
め「ゴメンネ、さっきチケット貰った時も割と混雑してたじゃない? だから、早めに席を取っといた方がいいと思ってね」
こ「こはきゅたちはみんないっしょでみるの!」
の「ありがとう、こはきゅちゃん」
き「・・・サンキュっ」
の「もう〜素直じゃないわね、きららったら」
(パッ)
こ「あ、くらくなったっ」
め「(こはきゅちゃん、ここからは声は出さないでね)」
こ「(おくちチャック・・・?)」
め「(なるべくね)」
こ「(アイアイサーっ)」
め「(あい・・・?)」

*:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*


―――皆様、ようこそ、トランプ・スピカドームへ。
この空を旅する船に乗りながら、
高度1万メートルから覘く、美しい星の世界へ。。。

太陽が沈み、
時は、
この長い道のりを静かに飛行していきます。

過ぎ去りし昨日の地平線と、
これから出会う星の一つ一つには、
貴方にとってかけがえのない
夢のかけらが待っているのかも知れません――――。

―――
――




*:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*


の「キレイでしたね・・・」
め「うん、目の洗浄をしたみたい」
の「あれ・・・きらら・・・?」
め「こはきゅちゃんも・・・」

き「(クゥ・・・)」
こ「(スースー・・・)」

め「うふふ、ふたりは夢の中のようね・・・」
の「どうしよ・・・起こします? と言ってもこのままというわけには行かないか・・・」
め「なんだか勿体無いわね、ふたりの天使をずっと見ることができないのも」
き「んぁ・・・あれ?」
め「おはよう、きららちゃん」
き「あぁ・・・やっぱ寝ちまったか・・・あれ、こはきゅも・・・おーい、こは――」
め「待って、このまま寝かせてあげましょ」
き「え、でも・・・」
め「んしょ・・・とっ」
の「こはきゅちゃんのかばんは私が持ちますね」
め「さ、行きましょ、いちごが待ってるわ」
き「あ、そう言やそうだった」
の「ふふ、こはきゅちゃんの寝顔、かわいい♪」
き「へへ・・・ホントだ、まるで天使だなっ」